2016年4月20日に発覚した三菱自動車の燃費不正問題。
この不正問題により、今まで以上にカタログ燃費(燃費基準)が注目されています。
そのため前回は、日本の燃費基準の推移についてお話ししました。
※これまでに燃費基準は、何回も変わってきている
⇒日本の車の燃費基準の推移。どうして生まれ、どのように変化した?
今回は、前回の続きとして、『JC08モード燃費』と『燃費がいいとなにがいいの?』についてお話ししますね。
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JC08モード燃費は、高速走行を重視している
前回お話ししましたが、10・15モード燃費は、郊外の幹線道路を想定した試験内容となっています。
そのため、高速道路が整備された今の時代には、そぐわない試験方法でした。
そこで、高速走行を重視した試験方法の「JC08モード燃費」が登場したんです。(JC08モード燃費は、ジャパン・シャーシ2008の略語です)
JC08モード燃費は、下記表のように、10・15モードより平均速度、最高速度ともに上がっています。
また、長い時間計ることで、より正確に測れるようになっています。
JC08モード | 10・15モード | |
平均速度 | 24.4km/h | 22.7km/h |
最高速度 | 81.6km/h | 70km/h |
所要時間 | 1204秒 | 660秒 |
走行距離 | 8.172km | 4.165km |
(引用元:CARトップ)
走行パターンも複雑化していて、アイドリングも含まれています。(そのため、アイドリングストップが燃費向上に有効になっています)
エアコンや電装品は、OFFの状態で測定されます。(電装品やエアコンが、実燃費とJC08モード燃費の大きな差を生んでいるといわれています)
JC08モード燃費は、エンジンなどが冷えている状態から試験開始となっていて、車重に110kgプラス(2名乗車を想定して)されます。
そして、実際の試験は、ローラー上(シャシダイナモメーター)で行われ、燃費の消費量を職人的な技を持った試験官が運転して測定していくんです。
10・15モード燃費に対して、JC08モード燃費は、1割程度燃費が悪くなるといわれています。
けれど、カタログに併記されたときは、以下の表のように1割以上燃費が悪くなった車種もあるんですよ。
そして、JC08モード燃費と実燃費を比べると、7割程度(JC08モード燃費×0.7)くらいになるといわれています。
10・15モード/JC08モード併記車両の燃費比較
モデル | グレード | 10・15モード | JC08モード |
プリウス(3代目) | L | 38.0km/L | 32.6km/L |
インサイト | G/L | 31.0km/L | 27.2km/L |
デミオ(3代目) | 13-SKYACTIV | 30.0km/L | 25.0km/L |
セレナ(現行型登場時) | 20X/20G(FF) | 15.4km/L | 14.6km/L |
ムーヴ(5代目) | FF全車 | 30.0km/L | 27.0km/L |
(引用元:CARトップ)
燃費がいいと何がいいの?
現在、日本だけでなく、世界中の自動車メーカーが、燃費を向上させることに力を入れています。
ですが、燃費がいいと、燃料代が安くなる以外に何がいいのでしょうか?
実は、ユーザー側だけでなく、自動車メーカー側にも良いことがあるんです。
燃費がいいとなにがいい?
・燃料費が節約でき経済的
・税金が安くなることがある
・資源が節約できる
・クリーンで企業イメージがUP
・環境意識が高いと思われる
(引用元:CARトップ)
また、燃費が良くなれば、排ガスの量も減るという側面もあります。
燃費を良くすることは、このような良いことがあるため、どの自動車メーカーも燃費向上に力を入れているというわけなんです。
次回は、三菱自動車の燃費不正問題で話題になった「惰行法」についてお話ししますね。